本日は、日頃より大変お世話になっております 株式会社大林組 東京本店 キヤノン総合工事事務所 所長 高橋 元様 並びに消防署 蒲生分署 第3中隊 中隊長 川上 裕之様にご臨席賜り、後ほどご両名様より講和を頂戴しますこと、厚く御礼申し上げます。
私は昨年、この場所で「また来年、第19回の安全大会でお会いしましょう」とお約束いたしました。本日、こうして多くの協力会社及びメーカー各社の皆様を再びお招きし、誰一人欠けることなくこの日を迎えられたことを、何よりも嬉しく、誇りに思います。日頃からそれぞれの現場において、安全第一で作業に励んでいただいている皆様に、改めて厚く御礼申し上げます。
さて、現在の建設業を取り巻く環境は、地球規模の気候危機の最たる例である酷暑期間の長期化や、激甚化・頻発化する自然災害の猛威にさらされ、年々厳しさを増しております。一方で、自然災害が発生した際には、“地域の守り手”として真っ先に復旧・復興に携わるとともに、また昨今老朽化が進む公共インフラの整備・更新など、我々建設業の果たすべき役割と国民からの期待はますます大きくなっています。
このような状況で、建設業が将来にわたり「憧れの産業」として社会から信頼され、安定的に発展し続けていくためには、建設工事に従事する全ての方々が、安全で安心して働くことのできる魅力ある職場環境を早急に整備しなければならないことは明白です。
関係者の弛まぬご努力により、建設業における労働災害の発生件数、被災者数は長期的に見れば減少傾向にあります。参考までに、令和8年3月の労働災害発生状況の速報値によれば、建設業における休業4日以上の休業災害は13,215人で、前年比3.3%の減少、死亡災害は前年に比べて17人減少の209人となりました。
しかしながら、全産業に占める建設業における労働災害の割合は依然として3割台と高水準で推移しており、特に墜落・転落災害については、足場や開口部からの墜落災害の増加に伴い、死亡災害に占める割合が、33.2%(226 人のうち75人)から、42.1%(209 人のうち88 人)へと大幅に増加するなど、極めて深刻な状況になっていることを、関係者一同改めて強く認識する必要があります。
当社としましても、今年度が計画期間の4年目に当たる「第9次建設業労働災害防止5か年計画」の目標達成に向け、各種事業活動に積極的に取り組んでまいりますので、各位におかれても前述の災害防止活動の目的をご理解の上、引き続きの力強いご協力をお願いいたします。
令和8年度全国安全週間に際し、準備期間及び本週間において取り組むべき事項をまとめた本実施要項を参考に、経営トップの強力なリーダーシップの下、関係者が一丸となって現場での自主的な安全衛生活動をさらに推進されますようお願いいたします。
令和8年度全国安全週間は7月1日から7日までを本週間とし、以下のスローガンの下で取り組みます。
多様な人材 全員参加 みんなで育てる安全職場
なお、令和8年度(2026/4/1〜2027/3/31)株式会社大林組 安全衛生スローガンは皆様ご承知の通り、
安全は すべてにおいて最優先 危険は無いか 手順は良いか 声かけ指差し 安全確認
を全力で遂行し死亡災害=0はもとより、災害ゼロを目指して日々安全に取り組んでいきます。
令和8年度A.BMミツガシ安全衛生対策要項
1.経営トップ等による現場安全点検の実施
・安全衛生管理体制の構築状況及び安全衛生教育等の実施状況を確認
・安全パトロール等により、現場の労働安全衛生関係法令及び社内の安全衛生規程等の遵守状況の総点検を実施
・経営トップ等による安全訓示等を通じて、関係者の意思を統一し、安全意識を高揚
・ホームページ等を通じて、自社の安全活動等を社会に発信
・職長は、事業者の代行者・行為者として、事業者が果たすべき危険防止措置を実施する。現場のキーパーソンとして統括安全衛生責任者との連絡調整・指示事項の実施、作業の監督・指示、ATKY・QA活動実施による自主的な安全管理、作業員の指導・教育等を行う
2.リスクアセスメントの確実な実施
・設計段階、計画段階等においてリスクアセスメントを実施し、その結果に基づくリスク低減措置の実施状況を確認
・リスクアセスメント実施に必要な機械等の仕様書、災害事例等の情報を入手し、その結果を作業計画・作業手順書、安全工程打合せに反映し、その実施を確認
・作業手順を変更する場合は作業を一旦中止し、手順の変更内容を協議、承認を受け、作業を再開する
3.墜落・転落災害の防止
・設計段階、計画段階等において、高所作業が不要となる工法を採用する等の危険有害作業の廃止・変更等の本質的対策、手すりの設置等の設備面の工学的対策、現場ルールの設定・遵守等の管理的対策、保護具の使用による対策の順に優先度を付けて検討し、フェールセーフ及びフールプルーフ思想に基づき重層的に実施
・高所作業における作業床・手すり等の設置、その設置が困難な場合の防網(安全ネット等)や安全帯取付設備の設置を徹底
・使用状況に合わせた適切な安全帯の選定・使用前点検の実施・確実な使用、併せてフックの掛け替えが必要な場合は、二丁掛け安全帯を使用
・作業主任者、作業指揮者は、安全帯の使用状況を監視
・フルハーネス型安全帯を使用する場合には、特別教育を受講
・脚立の使用は原則禁止とする
・法定の措置に加え、「足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱」に示されている「安衛則の確実な実施に併せて、実施することが望ましい『より安全な措置』等について」に基づく措置を実施
・開口部や作業床の端には、手すり・中(なか)さん等を設置し、注意喚起を表示する等、「見える化」を推進
・足場設置場所の幅が1m以上ある場合は、本足場を使用(設置幅が1m未満であっても可能な限り本足場を使用)
・低所作業においても適正な保護帽の着用を徹底する
※フェールセーフ…人が装置や設備のトラブルによって人命リスクを負わないように配慮する設計方法のこと
※フールプルーフ…誤った操作を行っても重大な事故を招かないよう設計すること
4.建設機械・クレーン等の災害の防止
・作業条件に応じた適切な機械の選定等のリスク低減措置を盛り込んだ作業計画・作業手順書を作成し、その実施を徹底
・車両系建設機械・クレーン等の転倒及び転落災害防止対策を徹底
・運転席では、シートベルトを完全着用
・作業範囲内への立入禁止措置や作業指揮者・誘導者の配置等、はさまれ・巻き込まれ、激突され災害防止対策を徹底
・荷のつり上げ作業時は、荷姿や玉掛け状況を確認し、つり荷の下への立入禁止措置を徹底
・法定有資格者による、車両系建設機械・クレーン等の運転及び玉掛け・玉はずし作業を徹底
・玉掛け作業の際には、「3・3・3運動」を実施(30cm地切り、3秒以上停止・荷姿確認、3m荷から離れる)
・定期自主検査及び作業開始前点検の実施を徹底
5.転倒災害の防止
・作業通路の段差等の解消、すべり止め等の措置を実施
・転倒危険箇所の表示等、危険の「見える化」を実施
・4S活動(整理・整頓・清掃・清潔)及び照度の確保を徹底し、作業床、通路等の安全を維持
・転倒災害防止のためのチェックリストを活用して安全点検を実施
6.交通労働災害の防止
・適正な労働時間管理、長時間運転の禁止、交通ハザードマップ等を活用した最適な運行計画の作成等による運行管理を実施
・疲労、疾病、睡眠、体調不良の有無等を確認する乗務開始前の点呼を実施
・運転前後の運転者に対してアルコール検知器を用いて酒気帯びの有無を確認し、その結果を記録と、保存、不必要な酒類・危険物の車内への持ち込みの禁止
・運転中のカーナビや携帯電話の操作等の「ながら運転」の厳禁
・事業者(協力会社)は、材料の搬出入車両及び通勤車両の運転マナーを指導する
7.不安全行動による災害の防止
・危険軽視の行動を「黙認しない、見逃さない、妥協しない」職場風土づくりを推進
・「危険予知活動」「ヒヤリ・ハット報告活動」「一声かけ運動」「ATKY・QA活動」「現場巡視強化運動」等を積極的に実施
・安全衛生教育を徹底し、「近道・省略行為」等のルール違反行為を禁止
・現場の危険箇所の「見える化」を推進
・不安全行動を防止するため災害事例を用いた教育を実施
8.安全衛生教育の実施
・「雇入れ時教育」「送り出し教育」「新規入場者教育」等の安全衛生教育を実施
・建設従事者に対する危険体感教育(安全帯ぶら下がり、車両系建設機械等の死角確認、VRの活用等)を実施
・危険有害業務従事者に対する特別教育を確実に実施、職長・安全衛生責任者、作業主任者、危険有害業務技能講習修了者等に対して能力向上教育を実施
9.職業性疾病の防止
・工作物の解体・改修・メンテナンス等の工事は、有資格者が石綿の使用有無を事前に調査、石綿ばく露防止対策を確実に実施
・腰痛及び振動障害の予防対策の徹底
・リスクアセスメント対象物を取り扱う作業での化学物質管理者の選任と、建災防が作成した「建設業における化学物質取扱作業リスク管理マニュアル」の積極的な活用、保護具着用管理責任者による有効な保護具の選択、使用状況の管理等を徹底
10.熱中症の予防
熱中症は災害であるとの認識を持ち、事業主、安全衛生責任者を中心に労働衛生管理体制を確立
・作業場所の暑さ指数(WBGT値)を把握し、熱中症リスクを評価し、作業時間の短縮等のリスク低減措置を実施
・熱中症予防管理者労働衛生教育受講者等必要な熱中症の知識を有する職長等を中心として作業時の熱中症予防を実施
・「熱中症の自覚症状がある作業員」や「熱中症のおそれがある作業員を見つけた者」がその旨を報告するための体制整備及び関係作業員への周知
ア 現場の緊急連絡網、緊急搬送先となる医療機関の連絡先及び所在地等を周知
イ 作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送等熱中症による重篤化を防止するために必要な措置の実施手順を作成し、関係作業員に周知
WBGT基準値を超えるおそれのある場所で作業を行うことが予定されている場合には、冷房設備の設置等の設備対策を検討し、作業強度を下げる等の対応が困難な場合は、作業開始前にあらかじめ深部体温を下げるプレクーリングを検討し、その実施状況を確認
入職日、作業や休暇の状況等に基づき、あらかじめ各作業員の暑熱順化の状況を確認し、作成した暑熱順化プログラムに沿って、暑熱順化不足が疑われる作業員の暑熱順化を実施
・服装は、透湿性、通気性の良い物の採用に努め、熱中症対策リストバンド・空調服・防たれの100%着用厳守
・高温多湿下の作業中は、頻繁に職場巡視を行い、作業員の健康状態を確認し、作業場所に冷却水、スポーツドリンク、塩飴を置く等、水分、塩分の摂取状況を確認
・朝礼等作業開始前に作業員の体調及び暑熱順化の状況を確認
・退勤後に体調が変化し得ることを注意喚起
11.健康管理及び現場におけるメンタルヘルス対策の推進
・法令で定める雇入れ時及び定期の健康診断並びに特殊健康診断を実施し、その結果に基づき必要な措置を実施
・事業者(協力会社)は、作業員の健康状態や年齢等に配慮した適正な配置を行う
・事業主が適正な労働時間を把握し、総労働時間を縮減する(4週8閉所の実現に向けた取組み)、年次有給休暇取得を促進(最低年5日)
・メンタルヘルス不調の予防と適切な対応を実施する
・50人未満の事業場は、小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(令和8年2月25日厚生労働省公表)を参照しつつストレスチェックを実施
・長時間労働者に対する医師による面接指導の受診及び就業上の措置を徹底する
・建災防本部に設置されているメンタルヘルス対策相談窓口を活用
・産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策に関する小規模事業場支援を活用
12.火災事故の防止
・ウレタンフォーム等のプラスチック系断熱材等の可燃物周辺で、上下作業等による火気作業禁止の徹底(ウレタン等吹付工事の施工前に火気を使用する工事は終了させていること)
・火気使用時は監視人を配置し、火花等の飛散状況を確認する
13.飛来落下災害の防止
・建屋外周や開口部付近で工具類を使用する場合は落下防止ワイヤー等の対策を施す
・垂直ネットが隙間なく張られているか、巾木が適切に設置されているかの確認
・資材等を落下の恐れのある場所には置かない、必要に応じてネット掛け、ロープ掛け、固縛を行う。また、突風や強風による資材等の飛散防止対策の徹底
当社としましては、全国安全週間の本週間中に経営者をはじめ関係者が取り組むべき事項をまとめた「全国安全週間実施要領」及び「株式会社大林組 安全衛生対策要項2026」に基づき実施計画令和8年度A.BMミツガシ安全衛生対策要項を策定し、トップの強力なリーダーシップの下に、関係者が一体となって、労働災害の防止に万全を期する所存です。
労働災害の数字の向こう側には、一人ひとりの多様な人生があり、その帰りを待つ大切なご家族がいます。「これくらい大丈夫だろう」という一瞬の油断、いつもの慣れによる手順の省略を、私たちの現場から完全に排除しましょう。関係者全員が安心して働ける環境を作るために、私たち一人ひとりが果たすべき安全の役割を最優先に実行し、仲間と心を一つに安全確保に努めていただけますよう、重ねてお願いいたします。
本年度も変わらず安全意識の高揚および効果的な安全衛生管理にご協力頂けますことに改めて感謝いたします。ありがとうございます。
今日という日を新たな契機として、全員が更なる安全意識を持ち、一歩一歩、日々の作業に取り組んでまいりましょう。
当社は来年、令和9年度は設立20年と節目の年になります。これまで多大なるご協力をいただいた協力会社、メーカー各社の皆様、そして皆様を支えてくださるご家族様をお招きして第20回労働災害防止安全大会を開催できるよう、私たちも一丸となって努力を続けてまいります。
それではまた来年、第20回労働災害防止安全大会でお会いするまで「ご安全に!!」
令和8年6月27日
株式会社A.BMミツガシ
代表取締役 秋山 浩文